中山大障害観戦記。

12月18日、中山競馬場にて行われました第122回中山大障害を観に行ってまいりました。

午前中から内馬場Ｂ地区（大竹柵の横）で席取りがてらうろうろしていたのですが…、
とにかく人が少なかったです。かなり寒かったですので。
その証拠に、暖房が効いてる投票所の中はたくさん人がいました。それでも余裕を持って歩けるくらいでしたが。
そんなわけで席取りに関する結論。午前中から気合を入れて行く必要はないようです。
もっとも、春はどういった状況なのかわかりませんが。

午後になって、ひとつひとつレースが終わる度に人が増えてきました。
そして、９Rの終了後にはどっと人が押し寄せてきて、
障害レースがいくら人気がないといってもやはり大障害は違うんだなと、そう思いました。
何と言うか、集まってきている人の層がとにかく幅広くて、そしてみんな熱心なんです。
若い人から、『華の大障害』と呼ばれた昔を知っていそうな方々まで、
それぞれに大障害に対する熱い思いが、
新聞を見て馬券を検討する姿勢、障害や各出走馬の返し馬を見るまなざし、
そして周りの人々が語っている内容からも窺えて、すこし大げさな表現ですが慄然としました。
私も、まだまだ修行が必要ですね。

そんな感慨に浸っていると、いつのまにか大竹柵の前に出走馬たちが。
さすがに大障害に出てくる馬たちだけあって、高い障害を見ても特に怯える様子もなく、
みんな落ち着いて竹柵の向こうをじっと見つめてました。
その中でいちばん印象に残った馬がケイティタイガー。
大竹柵を見終えて、その脇を通り過ぎて次の障害へ向かおうとするときに、
レースでいつも見せる、鼻先から首まで一直線になるフォームで元気一杯に駆けていってました。
さすがケイティさん、まだまだ若いなあと思いながら見ていました。とてももうすぐ12歳とは思えなかったです。

それから。この日はNHKの衛星放送で中山大障害が中継されるとあって、スタッフの皆様が多数、ある場所に陣取ってました。
それは、大竹柵側と赤レンガ側のコースが一旦合流して、再び別れるところにある三角地帯。
ちょっとした（…って規模じゃないけど）植え込みがあって、スタンド側には『有馬記念』の看板があった場所です。
たしかにあの場所は迫力満点の映像を撮るのには絶好の場所ですが、
もし空馬が乱入してきたりしたらどうするんだろうと、ちょっと心配したりもしました。

そしてついに、J・GIのファンファーレ。そういえばここでしか流れないんですね。
スタート地点はベンチの上に立っても見えなくて、道中も馬群が殆ど見えなかったのですが、
場内実況を頼りにちょこちょこ移動したりしながら馬群を追っかけてました。

そして、バンケットを下って上って、もう一ケ所下って上ったところに、いよいよ大竹柵。
さあ、先頭メジロファラオ以下、踏み切ってジャンプ！
ばりばりばりばり、どすんどすんどすん、と凄い音を立てながら、全馬無事飛越。
観衆からは、恒例のあたたかい拍手があがりました。
それにしてもケイティさん、大竹柵の直前で肩ムチ入ってましたけど…。
飛越もちょっと低かったみたいだし、嘉堂さんは片手離してたし。気合不足だったんでしょうか。

それから逆周りして、またバンケットを２回。そして第２の難関、赤レンガを飛越。
ここも全馬無事…と思った瞬間、１頭落馬…。イチバンリュウでした。
馬たちが駆け抜けたあと、ぽつんと馬場にうずくまる植野騎手の姿が、痛々しかったです。
もっとも、すぐに片手を挙げて大丈夫だとアピールしてましたが。
（それでも、少なくともどこか打撲してるんじゃないかと心配でしたけど、何もなかったようで。ほっとしました）

で、レースのほうはといいますと。
前に行った大障害＆グランドジャンプ勝ち馬の３頭で決まるかなと思われたのですが。
３コーナーあたりからガラっと流れが変わりまして。
最後の直線ではこんな状態でした。
「ゴーカイと…、あの黄色い勝負服って誰？　（手許のレープロを慌ててめくる）うそ、ゴッドスピード？　うわぁぁぁ」
直線一杯を使っての叩き合い。結局どちらが先着したのかわからないまま、ウイナーズサークル前へ移動。
結局、移動中にゴッドスピードに軍配が上がったのですが。

それにしても、ゴッドスピードについては、全く私の認識が甘かったです。
よくいる『実力はあるんだけど大障害は向かなさそうな馬』じゃないかと、思ってました。
それがここまで無難な飛越を見せて、かつ勝負強さまで見せつけて勝ってしまうのですから恐れ入りました。
ただ、…いつの間に勝負服変わってたんでしょうか？

このようにいろんなことがありながらの観戦でしたが、
早起きして飛行機に乗って来た甲斐がじゅうぶんありました。
大竹柵を飛越する瞬間の、言葉にできないほど大迫力の場面を見られただけでも。
馬券のほうは全く的中しませんでしたが（だって本命がケイティさんじゃ…）、見応えのたっぷりあるレースでしたし。
おそらく、99年のベストレースになるのではないかと。

とにかく、平地GIのようにぎすぎすした雰囲気がなくて、ゆったり観戦できて満足です。
また、春のグランドジャンプも見に行きたいな、と思っています。

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アンダーザミント(ZVB10266@nifty.ne.jp)